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大津の事故で失われた幼い命

大津の事故で失われた幼い命と問われる責任

連休明けの8日大津の交差点で、散歩途中で、信号待ちをしていた保育園の園児に、車が突っ込み、ふたりの園児の命が失われ、ひとりは重症です。

園側が開いた記者会見でのマスコミの質問に、批判が集まています。

園側は被害者。園に責任があるかのようなマスコミの質問は行き過ぎ?そもそも、記者会見を開く必要があるのか?園長は泣き崩れ、園児を思っていた。等の声がたくさんネットに上がっています。

園側は被害者なのでしょうか?

庭がなかったために毎日園外保育が必要で、そこに向かうルートだった点に関しては、散歩等園外保育に関しては、下見と計画書を役場に提出する必要があります。

内閣府では、平成28年3月に、『教育・保育施設等における事故防止及び事故発生の対応のためのガイドライン』を作成しています。平成28年4月死亡事故など発生した場合に、地方自治は検証を実施し、事実の把握や原因の分析を行い、必要な再発防止策を検討すると定められ、そのための有識者会議も立ち上がりました。その際に、1000の事業者・行政へのアンケート調査が実施されています。

教育現場でのハインリッヒの法則とリスクマネジメント

近隣への散歩や園外活動の下見 97・4%実施・実施計画書の作成 60%実施

日常的な園外保育の事前調査  27・3%実施・事故防止マニュアル作成 49・7%実施

園内研修の内容 ヒヤリハット事例研修 72・5%・事故予防研修 3・3%

過去の事故の重大ミスにつながると思われる事例640の中で交通事故につながると思われる事例11件

園外保育実施に対する反省会と報告書作成に、27・7%実施

(平成27年度教育・保育施設等の事故防止のためのガイドライン等に関する調査研究事業・(株)インターリスク総研調べ)

様々なアンケート調査結果から、日常的な園外保育に関する危機管理意識と対策が薄い保育の現状が浮き彫りに見えてきます。

ヒヤリハット事例とは、いじめ対策でも語られることですが、『ハインリッヒの法則』と言われるもので、1件の重大事故の背景に29の軽い事故と300の異常があるという法則です。

1件の重大事故を無くすには、日常的な小さなミスに丁寧に敏感に対策する現場組織の意識変革が必要です。

保育の現場を命を預かり、守る現場とするために

園内・園外での危険な場所の特定と危険因子を取り除く、予防の徹底・全職員の月一度のリスクマネジメント会議・マニュアル作成・園内の情報共有・行政・地域との連携等が必要です。

そして、園外保育に関する専門的な研究が薄い日本の保育に関しての専門的なリスクマネジメントの治験的研究を積み重ねる必要が急務です。

教育現場での重大事故に関するマスコミ報道のあり方

マスコミ報道のあり方がネット上で話題になっている今回の事件ですが、いじめ問題などの報道も同様で、教育現場の重大事故報道は、連鎖の負の影響も子どもたちの命と直結します。

マスコミ報道をする側に、専門的な知識がない中で、事実の定格な把握以上に、センセーショナルな感情を煽る報道は慎むべきです。

事実の正確な報道と原因の専門家の意見を交えた予防策の提示などを含む『子どもの命を守る』報道を期待します。


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