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テーマ:なぜ、子供は塾に通うのか?韓国の場合


日本だけでなくてアジアを中心に補習教育・塾が行われています。 なぜ、子供たちは塾に通うのでしょうか?

今日は、放課後のもう一つの学校/塾のトリセツについて考えてみたいと思います。


アジアにもある塾

学習基本調査・国際6都市調査 では、調査対象の小学5年生が学習塾に通う比率 は 東京 51・6% 約半数が塾通い。 ソウルは72・9% 北京 76・6% アジアの都市部にはいたるところに学習塾があって、教育熱の高さ ソウルは週5日以上通塾している小学生が半数以上います。

欧米 3都市は、 学校以外の民間の学習機関が少なくて、そこで学習している小学生も 少ないですね。

ヘルシンキ 行っている 21・1% 行っていない 69・4%

ロンドン 行っている 13・1% 行っていない 83・3%

ワシントンÐⅭ 行っている 7・2% 行っていない 90・8%

欧米3都市は 学習塾などの民間の学習期間はほとんど存在しません。


韓国の塾事情

韓国は、小中校の正規授業は毎年12月に終わります。12月末から1か月の冬休みを経て、2月に卒業式があり、3月から新学期がはじまります。

この冬休みが新学期の成績に大きく影響する大切な時間になり、この冬休みに、事前に情報を収集し、どの有名塾に通い、新学期をスタートさせるかは、大きな親子の問題になるようです。

韓国の大学進学率は70%で、その名門大学への入学熱は日本よりも遥かに高いです。

そのために、公教育だけでなく、塾に入って、受験を目指すという塾熱・受験熱は過熱しています。

韓国教省は2017年度小中高の塾参加率は70・5%と発表しています。

塾などの私教育費用は、18兆6千億ウオン(1兆9千億円)。

韓国の国防予算は40兆3千億ウオンで、国防費の半分に当たる費用を子供の私教育に親は投資をしているということから見ても、韓国の私教育熱が高いことを表しています。

以前、韓国のあるテレビ番組で、1週間に11の塾に通う8歳の子供の話が報道されて、

遊びたい盛りの子供に対して、するべきではないという非難がたくさん寄せられました。

その子の1週間のスケジュールは、月曜 英語図書館で英語と中国語の勉強 火曜日 漢字の勉強と韓国史・バイオリン・バレエ 水曜日には数学と作文と過密なスケジュールで、親の過度の期待が感じられます。

韓国の大通りや路地には、学院・試験院という看板を出す学習塾が乱立していて、韓国の小中高で補習クラスに通わないものはほとんどいないと紹介しています。

このような加熱した私教育事情には、韓国の学歴重視の価値観が存在します。

人の価値を良い大学をでれば、成功した人と考える価値観が強いからです。

そのために、中学・高校と良い大学に入学するために、それを目標にして勉強し、そのために、私教育・塾に通うという過熱した文化があるようです。

ソウルの教育熱で有名な地域には数千を超えるたくさんのハグオンがあります。

塾が終わる夜10時には、数百の学生が一斉に出てくるので、その学生を載せる通学バ ス・子供たちを迎えに来た親の車で交通がマヒをするというところにも、その様子が伺えます。

2019年 韓国小学生の私教育参加率 74・8%と高く、高い教育費が手に負えなくなり家族で小さな家に引っ越すことになっても、子供を高い塾に通わせたり、高い地価でも、引っ越す保護者はよくあります。

韓国の大手塾は私立学校のようです。

1つの教室には、 2000から3000名の生徒に、職員数 100名で、生徒数が50万人を超える塾もあるほどです。

日本の大学の学生数7万人ですが、韓国の 1つの塾がその8倍あるのは、驚かされます。 子どもの教育費 5万10万はふつうです。家計収入の5割に達することもあることにも驚かせれます。


どうして、こんなにも過熱した補習塾への通塾が見られるのでしょう。

欧米とは異なり、なぜ、塾に行かせるのでしょうか?

東アジアは、知識が運命を変えるという考え方が存在するようです。

韓国では、ウシを売ってでも子供に勉強させよという言葉があり 中国にも鍋を売っても子供に勉強させよという言葉があります。

勉強への努力がいつか自分の出身身分から離れられることができると考える。という記事を以前に中国の新聞が掲載していて、興味深く読みました。


過熱した私教育事情には、韓国の学歴重視の価値観が存在します。

人の価値を良い大学をでれば、成功した人と考える価値観が強いからです。

そのために、中学・高校と良い大学に入学するために、それを目標にして勉強し、そのために、私教育・塾に通うという過熱した文化があるようです。


教育は人間を創る魔法のような魅力があるという言葉にあるように、たしかに、生まれや親の学歴や環境を勉強という努力によって、大学受験という、人生の中のひとつのスプリングボードに乗るチャンスが広がるという公平な世界が学問の魅力の一つでもあります。


けれども、過熱しすぎる競争の中で名門大学=成功という価値観が、その中身を問わない

学歴偏向社会や、心を見失う、また、結果主義というマイナスも生むということも、課題として見る眼が求められるようです。


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